第11章 破れたページ5
○月×日
と書いても闇の世界には時間というものはない
だが日記というものはその日にあった出来事を記すためにある
気持ち程度に日付は書いていこう…意味はないけれど
キングは闇の使いの中で一番に強い闇の力を扱える
そして私にとても忠実であり、私の側にいつもいてくれる大切な存在だ
私と長く付き合っているのはビジョップだが、会話や信頼に関してはキングが一番濃いだろう
クイーンやルーク、ポーンがキングを嫌うのも無理はない
そんなキングが私に『ルークが仕事をしない』と悩みをうちわけた
ルークは大の面倒くさがり
闇の使いには仕事が振り分けられていて家事や偵察、闇の世界の状況や侵入者がいないか見回りを命令で下している
というのも、以前も書いたが闇の世界は退屈すぎる…
何か彼らに仕事を与えなければ光の世界への進行をせざるを得ない状況になってしまうからだ
私が目覚めたことで光と闇の秩序が乱されていることを悟った彼らには『光の者が侵略を考えている』と嘘をつき、現状維持を目的で見回りや偵察をさせているが余裕はあまりないだろう
ナイトの報告も変化なし、で聞いている
正直ルークの面倒くさがりに私は安心しているのだが逆も考えれば『命令を放棄して光の世界の進行を考えている』という考えにも行き着く
キングにルークの居場所を聞き向かってみれば、彼は自分の部屋でぐっすりと眠っていた
杞憂だったみたいだ、やはり彼は彼だ
このあと私の気配に気づいたルークが私を手招きして一緒に横になり私も軽く眠ってしまったのはキングには秘密だ