第9章 アグラバー 前編
それは暖かい場所だった…
いや暑かった…
目の前視線先すべて砂の海で私は思わず「ぇ?え?!」と辺りを見渡し驚きを隠せずにいた
デスティニーアイランドでは砂浜はあったが水のない砂浜ははじめてで強い光を浴びる度に力が抜けていくような違和感を感じていた
『ここは…一体』
すると身の回りで溢れた異形のハートレス達…ノラをみるやいなや襲ってくる
先程ノラを助けてくれた闇の化身も姿を表すことなく自力で攻撃をよけていると「やめい!」と手を打つ音が聞こえて視線をむける
そこには黒と赤の衣をきた立派な髭をもつ男が杖をもちこちらをみていた
同時に異形のハートレスは消えて空からオウムが飛んでくる
「ジャファー!こんなところに人がいるぜ!」
「うむ…ジャスミン姫ではなかったか」
『…じゃすみん姫?』
誰だ?と頭を捻っていると髭の男は関係ないといわんばかりに嫌な顔を私にむける
「見慣れぬ顔だな」
「町のひとは全て捕らえてる!お前どこからきた!?…ってハッ!!」
『…捕らえてる?』
「し、しししまった…!俺様としたことが!」
「相変わらず羽も軽ければ口も軽い鳥め…まぁよい。お前も町の住人と同じように大人しくしてもらうとしよう」
すると髭の男は再び声をあげると私の周りにターバンを被ったハートレスを呼び寄せ手には刃物を握らせていた
あの男の人…悪いやつだ!
私は手に鍵の剣を出現させると髭の男は目を大きく開かせて杖をこちらに指した
「お前っ!キーブレード使いか!?」
『キーブレード?これが?』
「…鍵をもつ少年とは別にキーブレード使い…。ふはは、これは使える!」
ザッザッと砂煙をたたせてハートレスよりも前に進んだ髭の男はノラに手を伸ばした
「申し訳ない…私はお前さんを知り合いと勘違いをしていた。
お詫びとしてはなんだがおもてなしをしたい!
我が宮殿にお前さんをご招待しよう!」