第8章 100エーカーの森 後編
胸を押さえながらとぼとぼと暗い闇のなかで小さな光を目指して歩いた
『苦しい…悲しい…辛い…もどかしいっ』
あのデスティニーアイランドでも感じたことのない負の感情が私の心の中を蝕んでいく
落ち着け…落ち着くのよ私
理性が残っていたのが幸いしてなんとか自分に冷静になれと暗示する
…何故急激にこんな荒波のような怒りを感じたのだろう?
【抑えなくていいの】
『っ!…だれです!?』
【心の赴くままに貴方らしく生きていいの】
視界の先は小さな光以外…闇
木霊する幼い女の声に不安と警戒を抱く私に続けて女の声は頭に響く
【感じる全ての痛みは貴方の生きている証】
『私の…生きている?』
【そう…すべては…"鍵の導く心のままに"】
するとノラの手にもつキーブレードの先が光はじめて小さな光とは違う別の光を作り射した
『鍵が導く…心のままに…?』
私を蝕んでいた心の痛みが消え、波打つように別の感情が沸き上がる…これは欲望
鍵の導くままノラは光に向かって歩いていった