第26章 忘却の城 序章
『____…ん、』
いつの間に眠っていたのか重たい瞼を開き視界を広げれば、目の前には白い壁が見えた
黄金の瞳はハッと開いては見知らぬ場所に警戒して勢いよく体を起こした
『…ここは』
白い壁、白い廊下、白以外の色がない不思議な空間を怪訝に思いつつも私_____ノラは思いの外落ち着きを取り戻していた
廊下の先には白い扉が、私の背後には続く扉はなく行き止まりとなっている
…進むしかないのか
この場所から脱出を試みる私は目の前にある少ない階段をのぼり、扉に手をかけた
がちゃがちゃと鍵がかかっているのかうまく扉が開かず『仕方ない』と掌にキーブレードを出し、扉へと刃先を向けた時だった…
【目が覚めたようだな、闇の王よ】
『っ!!』
後ろを振り向けば少し離れた場所にフードの男が立っていた
私は扉に向けていたキーブレードをフードの男に向けて警戒していると、男は懐から一枚のカードを取り出しては私に向かってなげた
こちらへと飛んできたカードは取れない速さではなかった為スパッと片手で私は受け止める
そのカードは文字がかかれておらず、どこかのお城が記載されていた
首を傾げた私にフードの男は【それを使えば扉は開きお前の進むべき道を教えてくれるだろう】と闇の柱を出現させてはその場から姿を消した
まて、と彼のいた場所へ駆けるも闇の柱が目の前で消え再び一人になる
周りを探してもいない…唯一の手掛かりはこの【カード】
『…今はこれに頼るしかないみたいですね』
フードの男の言ったように白い扉へとカードを近づけると、カードは光輝き消えてガチャリと解錠した音が扉から聞こえた
生唾を飲み、私は扉をゆっくりと押した