第4章 何か。
何かされても、みんなにはうまく隠してたつもりだったんだけどな。
バレちゃってたのか……。
私が嫌がらせを受けていて、しかもその原因が自分たちだと知ったお兄ちゃんたちは話し合って私と距離を取ることにしたらしい。
そのかいあってか、しばらくして私に対する嫌がらせはだんだん減っていったし、お兄ちゃんたちの行動は正しかったのかもしれない。
私も本当ならみんなに感謝をするべきなのかもしれない。
でも……。
「私は……みんなと離れるほうが嫌だったよぉ……!」
泣きじゃくる私を「ごめんね」と弱弱しく呟きながらお兄ちゃんは抱きしめてくれた。
そして他のみんなは私の手を握ってくれたり、頭をなでてくれたり、様々だったけど私のことを大事にしてくれているんだということは伝わってきた。
それからしばらく、私は泣いていた。
泣き止むころクマの頭はすっかり濡れていた。
「大丈夫?」
お兄ちゃんが少し体を離して私の顔を覗く。
コクンと頷くと安心したように笑い、お兄ちゃんもまた頷いた。
「さて。じゃあパーティしよう。優香」
「!!……うん。そらる!」
それから私たちはおいしい料理をたくさん食べて、ケーキを食べて、たくさん話をした。
本当の、前みたいに。
嬉しかった。