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闇夜の雫【FF15】

第3章 後編



「はは、褒め言葉として受け取っておくよ」

アーデンはワイングラスを揺らしながら、乾いた笑みを浮かべるしかなかった。
実際は元王族の人間なのだか、その事実を知っているのはごく少数の人間であり、自ら話そうとも思っていなかった。
王女からの賛辞は、明らかな好意が混ざっており、アーデンは珍しく頭を悩ませていた。

「…そうだ、帝国のお話、聞いてみたいですわ。あの国は閉ざされているから、旅人の口伝えでしか知ることができなくて」

王女は場の空気を感じ取り話題を変えた。
しかも、相手が不快にならず、かつ、話しやすそうな話題を。

そんな二人をユーリは静かに見守っていた。



――アーデンは国王になりたかったのかな

ユーリは二人を見ていると、ふとそんな考えが浮かんだ。
2000年前、国王になれるはずだったが、神々の気まぐれで叶わなかった。
本人から国王になりたかったと聞いたことはないが、あの日、彼は罠だと分かっていても選定の場に戻った。
少なくとも、民が望むなら国王になろう、そう思っていたのかもしれない。


ユーリが物思いに耽っていると、給仕がスープを運んできた。かぼちゃのポタージュ、湯気がゆるやかに立ち上っていた。

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