第8章 其の八★へし切長谷部
「あぁっ…」
思わず声を漏らしたのは長谷部だった。
あまりの快感にイッてしまいそうになるのを必死に堪える。
桜華は長谷部の身体にしがみ付きその快感に身を任せていた。動いてもいないのに搾り取られそうになる自身は彼女のナカで硬度を増したのではないかと思われるほどにガチガチだ。
「長谷部様っ……」
「主?辛くはないですか?」
冷静を保とうと声を掛けてはいるが、長谷部の心の中は欲で溢れかえっていた。
「えぇ……長谷部様っ、大丈夫です」
「主、俺の方が耐えられないようです。すみませんっ」
長谷部は突然律動を始め、桜華のナカを掻き乱す。目下で悶え喘ぐ彼女の姿は長谷部の目には毒でしかなかった。
泣かれようが喚かれようが止めることなどできないほどに長谷部は無心で腰を振る。
何度も突かれ、桜華の絶頂も近くなると今まで以上に長谷部のモノを締め付ける。歯を食いしばり大きく動いた長谷部は最後にグイッと彼女の最奥まで自身を打ち付け圧しこんだ。
それと同時に、桜華の身体は大きく反りかえり長谷部のモノから放たれた欲液を全て飲み込んでいく。ビクビクと脈を打つ自身を感じながら長谷部は呼吸を整えた。
同じように呼吸を整えている桜華にそっと覆いかぶさりながら彼女を抱きしめる。言葉も交わさないままに互いに唇を寄せあった。
落ち着いたころ合いを見計らい桜華のナカから自身を抜けば余韻が溢れ出る。
「主……とんだ失礼を」
長谷部の言葉に桜華はクスッと笑い、彼の頬を両手で挟んだ。
「失礼と思いながら、私にこんなことを?」
裸のままの桜華に向ける顔もない。そう思ってしまう自分が恥ずかしい…が後悔などはしていないのも本心である。
それに、自分の中から溢れ出るのは彼女の霊力の賜物。漲る力が手に取るようにわかることにも驚きを隠せない。
「主、ありがとうございます」
礼を言いながら額に落とした口づけにくすぐったそうな顔をする桜華。
決して嫌そうな顔でも辛そうな顔でもない。彼女もまた長谷部の神気が注ぎ込まれているため身体は楽なのだろう。
目を閉じた桜華をそっと抱きしめた長谷部は『叶うのであればまたこうして貴方を抱かせてください』と心の中で懇願したのであった。