第4章 其の四★加州清光
「主……」
加州はギュッと桜華の身体を抱きしめると、唇を落とす。今までも何度も重ねていた唇は一番しっくりくるようなそんな気がして桜華も安心してそれを受け入れた。
長く重ねられた唇から息を吸おうと少しだけ唇を開けば、するりと加州の舌が桜華の口内へ入り込んでくる。
驚いて身を引こうにも加州にしっかりと抱き留められていて敵わなかった。
加州の肩口に置いた桜華の手にギュッと力が籠るのを感じた彼はそれを落ち着かせるかのように背中をゆっくりと撫でる。徐々に体の力が抜けていくのとは反対に、口内の舌は厭らしく絡まり合い身体中の体温が上がっていった。
今まで2人きりで過ごしてきた本丸。
一度だけ重ねたことのある身体はその感覚を忘れてはいなかった。
「主、ごめん。俺、我慢できない」
しばらくして離れた唇から紡がれた告白に何の返答もできないまま桜華はベッドへ押し倒される。ほんのり肌蹴た胸元から加州の熱い手が挿し込まれ柔らかく胸を揉まれ始めた。
「あっ…加州様っ…」
肩に置いたままだった手に力を込めても何の抵抗にもならない。加州は桜華の片方の手を取ると指を絡ませ再び唇へと身体を伸ばした。
唇と舌を吸いながら柔らかだった胸を愛撫すれば、あっという間に硬くなる突起を指でつまみ上げる。
あの時、加州と身体を重ねるまで桜華にこういった知識は皆無だった。他人に、まして異性に自分の身体をさらけ出すことの羞恥といえば未だ慣れるものではない。
しかしながら、加州の必死な様や管狐からの話によればこういった行為も必要な事であると認識していた。
神気を分け合うのですよ…こんのすけはそう言っていただろうか?
桜華は加州からの愛撫に身を委ねながらそんなことを考える。