第7章 あんたは全部、俺のもの (家康×舞)
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「あのね、家康。あれは押し倒されたんじゃないの。弓術を教えてもらってた時に、ちょっとバランス崩して倒れちゃっただけなの」
「えっ……」
「だから、後で謝りに行こう。三成くんは何も悪い事してないから…」
家康は、舞の言葉に驚いた表情を浮かべた後、バツが悪そうに視線を逸らした
「わかった。不本意だけど…突き飛ばした事は謝る。でも、言った事は謝らない。本当の事だから」
「家康…っ」
「とりあえずは手当。あんたの肌に痣が残らないように薬を塗るから、暫くじっとしてて」
「う、うん。有難う…」
家康は、棚から軟膏を持って来て舞の腰にしっかりと塗り込んだ
家康の薬は、いつもスーッと染み込む感じがする
少しだけど痛みも引いた気がして、やっぱり凄いなって思いながら見ていると、それから程なくして家康の指先がピタリと止まった
「はい、終わり。もう着物着てもいいよ。いくんでしょ、三成のとこ…」
「っ、うん!!」
「はい、じゃあ手を出して」
「えっ、もう一人で歩けるよ…っ。家康の薬のおかげで、痛みも引いたみたいだし…っ」
「駄目。俺が繋ぎたいから、ちゃんと握って」
「っ、う、うん…」
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