第1章 不器用な恋 (家康×舞) R18
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「っ、馬鹿じゃないの?あんた、さっき俺が何したのかわかって言ってる?」
無理やり、あんたの事を抱いたくせに、全部なかったことにしようとしたんだ。
そんな自分勝手で酷いやつ、好きだって言うの?
「うん…。だからね…家康の気持ちがちゃんと知りたい。家康が、理由もなくそんな事するわけないから…」
どこまでも真っ直ぐで、太陽のように眩しくて、 おれなんかが、あんたにふれていい筈ないのに。
そんな顔で見つめられたら、ぐるぐる悩んでた事なんて馬鹿らしくなってきて。
こんな俺を好きだと言ってくれる舞が誰よりも愛しくて、その身体をきつく、きつく抱きしめた。
「そんなの…あんたが好きだからに決まってる。だけど、あんたには俺より三成の方が似合ってると思って…この気持ちは、忘れようと思った。」
「家康………」
「舞…。酷い事、いっぱい言ってごめん。今更こんな事言うのは狡いと思うけど、聞いて欲しい」
「うん……」
「俺は捻くれてるし、一緒にいても楽しい事なんて一つもないと思う。だけど、俺の我儘だってわかってるけど…あんたが好きだから、これから先、ずっと俺の傍に…いてくれますか?」
あんたが隣で笑っててくれたら、どんな事も頑張れるから。
勇気を出して、素直な想いを伝えると…舞の瞳は涙で濡れ、溢れた雫が頬を伝って零れ落ちて行く。
溢れた涙を指の腹で拭いながら、舞の顔をじっと見つめると…舞は、花ように可愛い笑顔を咲かせた。
「私、家康の傍にいるよ。迷惑だって言っても、ずっと傍にいるからね。」
「へぇ、言うね。じゃあ、確かめてみる事にする」
「えっ?」
キョトンとした瞳で見つめる舞の身体を押し倒し、床に組み敷くと、舞は全てを察したのか、顔を真っ赤にして目をそらすけれど。
ほのかに色付く細い首筋が目の前に晒され、誘うような香りに、唇を寄せて口付けを落とす。
「今日は、朝まで寝かさないから。今から俺に甘やかされる覚悟…ちゃんと決めてよ?」
「っ、家、康………っ!!」
舞を抱きながら、その温かな温もりに触れ、心が満たされていく。
「舞、愛してる…」
あんたを一生離さないなら、覚悟して。
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