第7章 あんたは全部、俺のもの (家康×舞)
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舞は真っ直ぐに的を見て、軸をぶらさないように意識しながら矢を放った
ビュン、と勢いよく放たれた矢は的から僅かに外れ、すぐ横の壁へ突き刺さる
的には当たらなかったものの、だいぶ近い位置に放てた事が嬉しくて舞は満開の笑顔を咲かせた
「凄いよ!あと少しで的に当たりそう!!」
「舞様の飲み込みがいいからですよ。もう一度構えてみて下さい」
「えっと…こう…?」
教えてもらった事を実践しながら弓を構える
すると、三成が真後ろに立ち舞の手を掴んだ
「っ、三成くん?!」
「じっとしていて下さい。もう少しここをこう…」
三成くんは、私の焦りを余所に腕の位置を調整したり、脇を締めたりしてくれている
三成くんに他意はないのは真剣な眼差しを見ればわかるけれど、近すぎてドキドキしてしまう
触れている手は熱を持ち、ジンジンと熱くなってゆく
顔を真っ赤に染め三成の紫苑の瞳を見つめていると、漸くそれに気付いた三成が顔を上げ、視線が絡み合った
「っ、舞様…っ!」
「あのっ、三成くん…っ、ちょっと近い…っ」
「っ、すみません…っ、すぐに…っわあっ!」
「きゃああっ」
慌てて手を離そうとした三成はバランスを崩し、そのまま舞を押し倒す形でその場に倒れ込んだ
「いたた…。っ、す、すみません…舞様、大丈夫ですか?」
身体を起こし舞を見下ろすと、舞は打ち所が悪かったのか、腰をさすっている
三成は焦りの表情を浮かべ、舞の腰に手を伸ばした
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