第6章 あの日の誓いは永遠に (謙信×舞) R18
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「あれは天女と…佐助か?」
「佐助のやつ、1人で勝手に逃げやがって!お陰でこっちは酷い目にあったってのによー!」
幸村は眉間に皺を寄せ、先程の惨事を思い出していた
「まぁ、何となく想像は出来るが…。昨日はいつにも増して機嫌が悪かったからなー」
「修羅のようでしたけど…何かあったんすか?」
怒りに任せて剣を振り回す謙信を想像して、信玄は思わず肩を竦める
「まぁ、大人になると色々あるんだよ、色々となー」
「どうせ舞が関係してるんだろーけど…佐助のやつ、こんな時に舞と二人で出かけて大丈夫か?」
「うーん、かなりマズイだろうなぁ」
「知らねーぞ、俺…って、うわっ、謙信様!??」
「何を慌てている…」
焦ったように不自然な動きで目の前に立ちはだかれ、あからさまに視界を遮られた事を不審に思った謙信は、幸村を押し退け下を眺めた
そこには、愛しい女と優秀な部下の仲睦まじい姿があり、思わず顔をしかめる
「朝から出かけると言っていたが…まさか佐助と逢瀬とはな。佐助も、今日はやけに手際よく逃げたと思っていたが…そういう事か」
怒りを宿した瞳に、幸村の背筋がゾクリと震えた
今にも飛び出して行きそうな謙信の行く手を慌てて遮る
「何の真似だ…」
「謙信様!気持ちはわかりますけど、無茶言わないで下さいよ!!今日は大事な謁見もありますし、軍議だってあるんですから!」
「そんなもの、信玄がいれば事足りるだろう!」
「駄目ですよ!ったく、信玄様も何とか言って下さい!」
「いや…軍議は兎も角、大名は謙信に会いに来る訳だしなぁ。流石に代われないぞ」
信玄が真面目な顔で謙信を見つめると、謙信は苦虫を噛み潰したような表情で信玄を睨みつけた
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