第5章 守りたいもの 後編 (光秀×舞) R18
.
翌日
安土城では、戦勝祝いの宴が行われていた
久しぶりに舞が戻った安土城は花が咲いたように明るく、信長はその光景を目を細め眺めていると、それに気付いた舞がパタパタと近寄ってきた
「信長様、この度はお疲れ様でした。みんな無事に帰ってきて安心しました!」
空になった盃に酌をしながら、笑顔を覗かせる舞
「此度は光秀もよく働いた。貴様が世話をやいた甲斐があったな」
「そんな…私は何も。でも、光秀さんの怪我が治って良かったです」
「ふっ、そうだな。では貴様は明日にでも安土城へ戻れ。光秀ならもう大丈夫だろう」
「あっ、そう…ですよね。………っ」
怪我が治れば安土城へ戻らなければならないのはわかっていたのに、いつの間にか光秀の御殿での生活が当たり前の日常になっていて
昨日までの日々がなくなるのだと思うと…急に寂しさを覚え、胸がギュッと締め付けられた
「舞、先程までの腑抜けた顔はどうした。やけに浮かない顔だな?」
「っ、信長様…。いえ、何でもありません!また明日からよろしくお願いします…っ」
何とか笑顔を作り、ぺこりと頭を下げる
そんな舞の態度に、信長はハァ…と深い溜息をもらした
「貴様は…とんだ阿呆だな」
.