第5章 守りたいもの 後編 (光秀×舞) R18
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庭へ移動すると、舞は一人一人におにぎりを配っていた
家臣達が幸せそうに、舞から渡されたおにぎりを食べている姿をみて、光秀もまた皆に労いの言葉をかけて回る
一通り声をかけた後、光秀は舞の所へ近寄り声をかけた
「舞、俺の分はないのか?」
「光秀さん!光秀さんのはちゃんとあっちにとりわけてありますよ。すぐ持って来ますね!」
舞は嬉しそうにパタパタ走り、奥から大きなおにぎりを持って帰ってきた
「はい、どうぞ!光秀さんのは、私の想いを目一杯込めて握りました」
「ほう、それは楽しみだ」
意地悪な笑みを浮かべながらおにぎりを口に運ぶと、優しい味が口一杯に広がって、それだけで幸せな気持ちになる
「お怪我はありませんか…?」
不意に、不安そうな声で顔を覗き込んで来た舞
「案ずるなと言っておいただろう…?」
「そう、ですけど…やっぱり心配で…」
「俺はお前に、全く信用がないらしいな」
ククッと笑みをこぼすと、安心したのか、舞は漸く陽だまりのような笑顔を覗かせた
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