第4章 守りたいもの 前編 (光秀×舞)
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「っ、光秀さん?!」
不意に伸ばされた手にドキンと心臓が跳ねる
視線を光秀の方へ向けると、優しい笑顔で見つめている光秀と目があった
「痣は、消えたようだな」
「あ…っ、はい…。まだ少し黄色い部分は残ってるんですが、化粧で誤魔化せるくらいには治りました」
「そうか…。女なのに傷など残っては嫁に行けなくなりそうだからな。良かったな」
「いつも一言多いですっ!!でも、心配してくれて有難うございます」
真っ直ぐな笑顔で見つめ返してくる舞
俺は何度、この笑顔に救われただろうか
お前は、知らないだろうな
「舞、すまないがやらねばならない仕事が残っている。お前は部屋でゆっくりしておけ。後で菓子でも持って行かせる」
「わかりました。でも、無理はしないで下さいね!約束ですよ?」
「約束…か。童のようだな、お前は」
「なっ、またそうやって揶揄って!!約束してくれなきゃ出て行きませんからっ!」
「次は脅しか?くくっ、全く…いい度胸をしている。そんなお前に免じて、無理せず仕事をこなすとしよう」
「もうっ、素直に最初から聞いて下さいっ。じゃあ、何かあったらすぐに呼んで下さいね」
「ああ…わかった」
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