第4章 守りたいもの 前編 (光秀×舞)
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その日の夜、九兵衛から無事に送り届けた事を確認した後、俺が眠っていた間に起きた事を確認した
捕縛した追手を尋問した所、どうやら黒幕は顕如で間違いがない事。
秀吉が本隊を捕らえる為に山へ登った時には、既に逃げた後で取り逃がしてしまった事。
今回の件で、舞の利用価値を見出した顕如が、再び舞を攫う可能性がある事。
そして、まだ肝心な根城が見つかっていない事。
「そうか…。事態はかなり厄介だな…。九兵衛、敵の根城の捜索はお前に任せる。確実に見つけ、報告しろ」
「はっ、必ず…!!」
「残るは舞だが…安土城に間者がいないとも限らない。このままでは危険だな…」
「では、ここで舞様をお預かりしてはいかがでしょう。舞様には光秀様の世話という名目にして、舞様の保護を信長様にお願いすれば、信長様もお許しになられるかと」
「そうか…。あまり気は進まんが、舞の身の安全には変えられんな。早急に文を書く。すぐにお館様へ届けろ」
「御意!!」
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