第20章 甘い悪戯 (光秀×舞) R18 BDリクエスト作品
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少し前に出来たこの店は針子仲間の間でも噂になっていて、舞も聞いたことがあった
(不妊治療に効くって噂の薬、だよね……)
ずっと出来なくて悩んでいた針子仲間が、これを飲んですぐに授かったのだと喜んでいたのを思い出す
(でも、光秀さんはどういうつもりでこんな物を…。またタチの悪い冗談、だよね…?)
「そうやってからかうのはやめて下さい。誘惑なんてしません…っ。それに、私と光秀さんはそんな仲じゃないじゃないですか…!」
「なら、そんな仲になればいいのか?」
「えっ…何、言って……」
思いがけない台詞に頭がついていかず、言葉を失っていると、光秀はくすりと笑みを浮かべた
「俺の誕生日を祝ってくれるんだろう…?」
艶を帯びた低い声に、ぞくりと身体が震える
(こんなの…駄目だと思うのに、拒絶出来ないのは何故…?)
渡された小瓶をギュッと握りしめ、舞は頬を赤らめた
「お前が祝ってくれるならば…明日は安土城でお前と過ごす事にしよう」
赤らんだ頬へスッと手が添えられ、ひんやりとした掌が輪郭をなぞる
「っ、そんな言い方…ずるいです。私まだ何も言ってないのに……」
「言わなくとも…顔に書いてあるだろう?」
細い指先で顎をクイッと持ち上げられ、絡み合う視線に身体中が熱を帯びていく
そのまま首筋を撫でるようにふわりと触れられて、舞はビクンと肩を震わせた
「っ、光秀さん…!!私…もう、帰ります…っ!」
「そうか。もう少し意地悪をしてやろうと思ったんだが…残念だ」
「っ、結構です…っ!失礼します…っ!」
舞は、煩く鳴り止まない心臓を抑えながら、意地悪な笑みを浮かべている光秀から逃げるようにその場から走り去ったのだった
渡された小瓶をギュッと握りしめてーーーーー
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