第20章 甘い悪戯 (光秀×舞) R18 BDリクエスト作品
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一方、舞はと言うと。
城下で馴染みの反物屋に来ていたのだが、ピンとくるものがなく、結局何も買わずに店を出てきていた
(はぁ…。なかなかいい物、見つからないなぁ…)
とぼとぼと俯きながら歩いていると不意に目の前に陰が出来、慌てて顔を上げると、目の前にいた人物はクスリと笑みを浮かべていた
「随分と考え込んでいたようだが…悩みがあるなら話してみろ。案外、答えはすぐに見つかるかもしれないぞ」
「っ、光秀さん…っ?!」
(まさか、光秀さんに出会うなんて…。でも…直接聞くのは何だか気まずいな……)
色んな考えが頭を巡りすぐに答えられずにいると、光秀は舞の手をとり、優しく握りしめた
「行くぞ。俺への贈り物を探すんだろう?」
「っ、なんでそれを……」
知られていた事への羞恥心から顔が一気に熱くなる
全てを見透かされているかの如く…琥珀色の瞳に一瞬で囚われた舞は、高鳴る鼓動を抑えられず、その瞳から視線を逸らす事も叶わずに、ただただジッと光秀を見つめていた
「生憎、情報収集には長けているものでな。俺の誕生日を祝う為なら何でもする覚悟だと。明日は、お前がどんな風に祝ってくれるのか…楽しみにしているぞ、舞」
「っ、えええっ?!私、そんな事一言も…っ」
人から人に伝わる間に、違う話になっている事はよくある事だが、悪意すら感じる内容に舞は困惑していた
(誕生日を祝ってあげたい気持ちは偽りない真実だけど、何でもする覚悟なんて…そんなの……っ)
一人、思い悩みながら歩いていると、光秀がとある店の前で歩みを止めた
「ふっ…こういうのも、悪くないかもしれないな。お前がどんな風に俺を誘惑してくれるのか…興味が湧いた」
光秀は店の前に並べられた小さな小瓶を手に取ると、店主に渡して支払いを済ませ、舞に手渡した
少し桃色がかった液体が小瓶の中でゆらりとゆれる
「っ、これは……」
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