第19章 束縛は愛の証(謙信×舞) R18 謙信BD祝SS
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「無理をさせすぎたな……」
謙信は、くったりと崩れ落ちた舞を横に寝かせ、優しい手つきで髪を撫でる
先程まで感じていた灼けつくような衝動は幻だったかのように消え失せ、ただ純粋に愛しいと思う気持ちだけが心の中をじんわりと満たしていた
(お前がこんなにも愛しくて、愛しくて堪らない…)
暫く跡が残りそうな首筋へ、優しく口付けを落とす
愛しいあまりに、時折感情が抑えられなくなる自分に深い溜息をもらしながら、謙信は舞の寝顔を見つめていた
(俺以外がお前に触れるだけで、どうしようもなく心が乱されるのだ。許せ…舞)
眠る舞にそっと布団をかけ、ゆっくりと体を起こすと、舞が布団の中で身動ぎをした
「ん……、謙信…様………?」
「起こしたか?まだ横になっていろ。今、水を持ってきてやる」
羽織を纏い、起き上がると…舞は頭をフルフルと振って謙信の着物の裾を握りしめた
「舞………?」
「私も…一緒に行きます。今日は謙信様の誕生日…みんなで準備したから一緒にお祝いしたいんです」
「……………」
「この後は計画に付き合ってくれるって言ってくれた謙信様の気持ちが凄く嬉しかった。だから…この後はみんなで宴を開いてお祝い、させて下さいね!」
「………っ、舞………」
はにかむように、愛らしい顔で微笑む舞を抱き寄せ腕の中に閉じ込めると、応えるように背中に回された手が謙信の体を包み込む
(お前には一生敵わないのだろうな。日に日に愛しさが増していくのが自分でもわかる。お前が愛しすぎて…幸せすぎて、死んでしまいそうだ…)
「ああ…そうだったな。今日は朝まで吞み明かすとしよう」
「ふふっ、ほどほどでお願いしますね。謙信様と同じだけ呑んでたら、みんな潰れてしまいます」
「軟弱な奴らだ。まぁ…そうなったら、お前の酌で呑むことにしよう」
「はい。どこまでもお付き合いします。宴、楽しんで下さいね!」
「ああ。有難う…舞………」
想いが伝わるように抱きしめた腕に力を込めると、舞は幸せそうに微笑みながら、謙信の背中をギュッと抱きしめた
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