第19章 束縛は愛の証(謙信×舞) R18 謙信BD祝SS
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宴は結局、飲み比べ大会を突然開催した謙信が、次々と家臣達を潰していき、最終的に佐助や幸村までもが巻き込まれた結果、謙信の一人勝ちで幕を閉じた
「ふん…つまらん。信玄のやつはどこだ?」
「そういえば、いないですね」
先程までいたはずの場所に信玄の姿はなく、折を見て上手く逃げたのだと容易に推察出来た
「臆して逃げたか。虎の異名も形無しだな」
「ふふっ、じゃあこの後は約束通り私がお酌しますね!」
不満げに溜息をついた謙信の隣に腰を下ろし盃を満たすと、謙信の形のよい唇が弧を描く
「そうだったな。これから先は、お前と二人で楽しむとしよう」
「はい!私が作った梅干しも食べて下さいね!」
梅干しの混ぜ物を野菜にまぶした物を、箸でひとつまみ掴んで謙信に差し出す
「何の真似だ?」
「っ、その……っ、口を開けて下さい」
「………。こうか?」
薄い唇を開くと、そこへ箸が入れられ口の中に程よい塩加減の梅干しの味がフワッと広がっていく
「どう…ですか?」
謙信は、不安そうに見つめる舞を抱き寄せると、そのままちゅ…と触れるだけの口付けを落とした
「っ、謙信様……っ?!みんないるのに……っ」
「子供扱いされたままでは堪らんからな。痛み分けというやつだ」
「………っ、もう……仕方のない人ですね」
「ふっ、そうかもしれんな。だから…これからも共にいてくれるな?」
「謙信様……!っ、はい………っ!!」
幸せそうに微笑む舞を見つめながら、この幸せが生涯続いていくのだと確信する
謙信は、何があっても最後まで必ず守り通すと強い誓いを胸に刻み、舞をギュッと強く抱きしめた
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