第19章 束縛は愛の証(謙信×舞) R18 謙信BD祝SS
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一方、謙信はーーーー
最近、舞が政務中に会いに来ない事が気になっていた
舞がお茶を持ってやってくる時間が、謙信にとって幸せで、満たされるひとときになっていたからだ
針子の仕事が忙しいのだろうと思っていたが、それが何日も続くと、次第に黒い感情が胸に広がっていく
(一体、舞は何をしている…?)
息を潜め、気配を殺し、舞の部屋の様子をそっと伺うと、舞は佐助と楽しそうに歓談していた
肩をくっつけて、何か小さなものを一緒に覗き込んでいる
その仲睦まじい姿を見て、謙信は激情に囚われた
部屋の戸を荒々しく開け放ち、振り返った佐助を睨みつける
静かに刀を抜き放つ謙信の姿を目の当たりにして、舞は慌てて謙信の傍へ駆け寄った
「っ、謙信様!落ち着いて下さい…っ。突然こんな…っ」
「突然ではない。少し前から、行動が怪しいと思っていたのだ。まさか、舞を誑かしていたとはな」
謙信の冷え切った声音に、舞の顔が次第に青ざめていく
「ち、違うんです…!誤解です…っ。佐助くんっ、ここは大丈夫だから、とりあえず逃げて…!!」
「っ、舞さん、すまない…!」
「待て、佐助…!!」
「謙信様…っ、駄目……っ!!」
謙信の体をギュッと抱きしめ、佐助が部屋を出た後でゆっくりと腕を降ろす
そんな舞の態度に、謙信は苛立った声をあげた
「舞、俺に何か隠しているだろう。正直に話さないと泣く事になるが…いいのか?」
「っ、隠し事なんて…っんん……っ!」
否定されるのを拒むように、荒々しく口付けて舌を絡ませると、舞は苦しそうに胸を手で押し返してくる
その手に指を絡ませて握りしめ、更に口付けを深めてゆくと、舞は瞳に涙を滲ませた
「っ…ふ……っは…ぁ……っ」
角度を変え、何度も熱い口付けを繰り返した後、儚い水音を立てながら、ゆっくりと唇を離す
涙で濡れた頬にも口付けを落とすと、舞は荒い呼吸を繰り返しながら、謙信の瞳を見つめていた
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