第19章 束縛は愛の証(謙信×舞) R18 謙信BD祝SS
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「舞、何を隠しているのか話せ。先程まで佐助と見ていたものは、何だ」
「謙信様……」
舞を追い詰めるように厳しい表情で問い正すと、舞は観念したのか、眉を下げながらポツポツと話し始めた
「今日は何の日か、ご存知ですか…?」
「知らん。そんな事はどうでもいい」
「っ、どうでも良くありません…っ!!私にとって、特別で…何よりも大切な日です…っ」
「何よりも、大切な……だと?」
何よりも大切だと言う舞の言葉に、眉がピクリと反応する
「そうです…っ!!私の大切な人が産まれた日です…!だから…っ、お祝いをしたくて、みんなで案を出し合っていたんです…!」
「………っ、舞………」
予想外の言葉に目を見開きながら、舞の気持ちが嬉しいと思う反面、自分だけが知らされなかった事への不満も湧き上がってくる
色んな感情がひしめき合い、暫く黙り込んでいると、舞は先程佐助と覗きこんでいた小さな器を目の前に差し出した
「これは…謙信様への贈物です。本当は夕刻に開催する宴で出す予定だったんですけど…」
「これは……梅干しを潰したものか?」
「はい。梅干しに色々混ぜてあるんですけど…ご飯や野菜にかけたり、お酒に混ぜても美味しいと思います」
嬉しそうに話す舞を何よりも愛しいと感じながらも、全てを奪い尽くさなければ満たされない程に、舞への想いが高まっていく
「それは確かに美味そうだが…その前に、俺を騙した仕置をしてやらねばな」
「っ、謙信様…?!ひああぁ…っ、ああ…!!」
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