第3章 すれ違う想い (三成×舞) R18
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「人と会う約束…と言ってましたね…。誰なんでしょうか…」
舞が、自分よりも優先する相手が誰なのか、気になって仕方なかった
声をかけた時、少し動揺されていたのも気になる
私には言えない相手…なのだろうか…?
「舞様……」
ポツリと舞の名前を口にする
独り言のつもりで呟いた一言に予想外に言葉が返ってきて、パッと振り返ると、そこには見慣れた姿があった
「よう、どうしたんだ三成?お前の顔、かーなーりやばいぞ??」
「政宗様…!それが……」
三成は、政宗に事の次第を全て話した
すると、ずっと黙って聞いていた政宗が静かに口を開く
「それは、間違いなく男、だな」
「なっ、舞様に限ってそんな事は…!!」
一番聞きたくなかった答えだった
舞に限って、あるわけがないと信じているからだ
それだけはないと、真っ先に排除した
それなのに、政宗はそうだと言ってくる
三成は、もう一度否定の言葉を口にした
「舞様は、そのような方ではありません」
「じゃあ、確かめてみるか?城下に行ってるのはわかってるんだろ?自分の目で見て、真実を確かめてこい」
「政宗様、それは…っ」
「なんだ、怖いのか?舞を信じてるなら大丈夫だろ?」
一番触れて欲しくない感情を抉るように放たれた言葉
ただ、確認するだけだ。貴女が誰にも疑われなくていいように。貴女の潔白を証明する為に。
躊躇っていた行為であったが、そう自分に言い聞かせて、三成は城下へ向かって足早に走り出した
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