第3章 すれ違う想い (三成×舞) R18
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舞様と恋仲になって、貴女の笑顔を向けられる度に胸がいっぱいになり
心も身体も貴女で満たされて
これが幸せということなのだと実感していた
そう、あの時まではーーーーー
時は、遡る事数時間前。
三成は、軍議を終え安土城から御殿へ帰る前に舞の部屋へと向かっていた
恋仲になったとはいえ、未だ安土城に住んでいる舞に会う為だった
いつも、笑顔で迎えてくれる舞
そんな舞の部屋で暫くの時間を一緒に過ごすのが日課になっていた
しかし、この日はいつもと様子が違っていた
舞が部屋から急いで出てきたのに驚いて、三成はとっさに声をかける。
「舞様?そんなに慌てて、どうされたんですか?」
「っ、三成君?!え、えっと…ちょっと用事があって城下に行くんだけど…準備に手間取っちゃって…」
舞は髪を結い上げ、可愛らしい桃色の小袖を身を纏っている。
その愛らしい姿に目を奪われ、このまま腕の中に閉じ込めてしまいそうな衝動に駆られるが、舞を困らせたくはないので、三成はぐっと我慢した
「舞様、良かったら城下まで一緒にいかがですか?買物でしたらお付き合いしますよ」
「あっ、ご、ごめんね…三成くん。人と会う約束してて…。だから、また今度お願いするね!」
用事と言っていたから、反物屋辺りに行くのだろうと思って声をかけた三成だったが、舞の返事を聞いて、頭が真っ白になった
「っ、舞様……」
舞が、三成の誘いを断ったのは初めてだった
言葉が出て来ず、立ち尽くしてしまう
そんな三成の様子に気づく様子はなく、じゃあまたね!と、舞は慌ててその場から走り去って行った
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