第17章 今日という特別な日に (光秀×舞) R18 誕生日SS
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「はあ…っ、はあ…っ…。今日の光秀さん…何だか変です……っ」
呼吸を整えながら光秀の顔を覗き込むと、光秀はフゥと溜息をついた
「俺らしくない…か。こっちが本当の俺かもしれないとは思わないのか?」
「っ、はぐらかさないで下さい。私は光秀さんの気持ちが知りたいんです…っ」
捉えどころのない表情を浮かべている光秀をじっと見つめながら、舞は光秀の唇へ優しく口付けた
「舞……….?」
「私は光秀さんを愛しています。光秀さんがいるから、ここに残ったんですよ…?」
舞の言葉に再び溜息をもらした後、光秀は観念したように、ゆっくりと口を開いた
「ああ…わかっている。だが…抑えられなかった。俺だけが面倒な仕事を与えられ、俺がいない間にお前が他の男に囲まれて笑顔を振りまく姿を想像しただけで、堪え難い苦痛を感じた。ただ…それだけだ」
「光秀さん…….」
「全く…こういう仕事は普段、秀吉の仕事なんだがな。まぁ…今宵はお前の愛らしい言葉を聞けたから、仕方なく堪えるとしよう」
ふわりと笑みを浮かべる光秀にギュッと心を鷲掴みにされ、堪らず胸元へ顔を埋める
恋仲になるまでは知らなかった光秀の優しい一面に胸がトクトクと高鳴って、騒がしかった
(こんな一面を知ってるのも、私だけだよね…)
「光秀さん、朝までこのまま…抱きしめていて欲しいです…」
もう少しだけ、光秀さんの傍にいたい
そんな気持ちを隠さず、想いを正直に口にすると、額にチュッと口付けられた
「っ、み、光秀さん……っ」
「心配しなくとも、朝まで意地悪してやると言っただろう?」
くすりと笑みを浮かべ、逞しい腕に抱きしめられる
舞はこの上ない幸せを感じながら、光秀の腕の中で重くなってゆく瞼をゆっくりと閉じた
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