第17章 今日という特別な日に (光秀×舞) R18 誕生日SS
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その翌日。
舞の部屋へ光秀がやってきた
「舞…いるか?」
「光秀さん……?」
襖を開けると、神妙な面持ちをした光秀と視線が絡み合う
舞は光秀を部屋へ招き入れ、襖を閉めた
「光秀さん、何かあったんですか…?」
ずっと押し黙っている光秀に声をかけると、光秀は舞を抱き寄せ、腕の中に閉じ込めた
「っ、み、光秀さん…っ?」
「暫く、安土を離れる事になった」
信長様が言ってた公務に行くのだとわかっているのだが、光秀の深刻な表情に不安を煽られる
(そういえば…内容は何にも聞いてないな…)
「何の任務に行くんですか?」
「護衛の仕事だ。今抱えている仕事を早く終わらせて、お前と二人で遠乗りに行くつもりでいたが…うまくいかないものだな」
「っ、光秀さん……っ」
思いがけない言葉に、嬉しさと申し訳なさで声が上擦る
最近、忙しくてあまり会えずにいたのはそんな理由があったのだと知り、胸が締め付けられた
「3日程で帰るから、もう少し待っていろ。また時間を作れるようにする」
光秀の優しさに触れ返事も出来ずに黙りこむと、顎を持ち上げられ琥珀色の瞳にジッと見つめられ、舞はゴクリと息をのんだ
「何故、黙っている」
「っ、光秀さんが急に優しくするから…ちょっと驚いただけです…」
「ふっ、そうか。ならば今日は朝まで意地悪してやろう」
「っ、えっ?!あ、あの……っん…っ」
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