第16章 愛する覚悟 (光秀×舞) R18
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光秀は自身の御殿へ舞を連れ帰ると、自分の部屋の褥に舞を寝かせた
余程疲れていたのか、一向に起きる気配はない
(相変わらず無防備な女だ……)
このような状態で秀吉と過ごしていたのかと考えるだけで、もやもやとした感情が身体中を駆け巡る
光秀にとってそれは、初めて覚える感情だった
(嫉妬、というやつか。この俺が小娘一人に翻弄されてどうする…)
舞の寝顔を眺めながら、真っ白な頬にそっと手を伸ばす
すると、うん…と吐息もらしながら、舞がゆっくりと目を開いた
「随分と気持ち良さそうに寝ていたな」
「ん……。秀吉さ……っ、み、光秀さん?!」
「ふっ、俺と秀吉を間違えるとは…まだ寝ぼけているのか?」
「ね、寝ぼけてません…っ!ちょっと驚いただけで…!光秀さん、無事に帰ってきてたんですね。良かった……」
嬉しそうに微笑む舞の顔を見つめ、光秀は僅かに頬を緩めると、舞の身体をそっと抱きしめた
「み、光秀さん…っ!?あ、あの……っ」
「少し黙っていろ」
「っ、ん……っ」
首筋に顔を埋め、ピクンと震える身体を抱きしめたまま口付けを落とす
真っ赤に染まるうなじから仄かに香る舞の匂いに、いつもの余裕などあっという間に消えて無くなった
初めて、全てを失ってでも手に入れたいと願った
欲しい…。ただその想いだけが光秀の心を支配していく
光秀は舞を褥に押し倒すと、舞の上に乗り上げた
「み、光秀さん……?」
「お館様から秀吉の世話を仰せつかったと聞いている。秀吉の御殿で…お前は何をしていた」
「……特別な事は何も……。ただ、時々お茶を淹れて一緒に休憩したり…お菓子を作って持って行ったりして、秀吉さんが働きすぎないようにしてただけです」
「まるで、夫婦のようだな…」
そう口にしたのは自分なのに、二人の姿を想像しただけで黒い感情が湧き上がってくる
冷たい眼差しで舞を見下ろすと、舞はその瞳をじわりと潤ませた
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