第16章 愛する覚悟 (光秀×舞) R18
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「どうして…。どうしてそんな眼で見るんですか…っ」
「それを知って、どうする…。知らない方がいい事もある…とは思わないのか…?」
試すような口調で問いかけると、舞は淀みない真っ直ぐな瞳で、光秀の瞳をじっと見つめ返してくる
「私は、そうは思いません。このまま…何も知らないままでいる方が、きっと後悔します。だから……教えて下さい。光秀さんが今、何を思っているのか」
真っ直ぐに逸らさずに…挑むような瞳に見つめられ、光秀は深い溜息をもらした
「ならば、教えてやろう。俺は…お前を愛している。ぐずぐずに蕩けるまで愛して、お前の全てを独占したいと思うくらいに…な」
「っ、光秀さん……っ」
光秀の言葉に、舞の瞳が僅かに揺らぎ、戸惑いの色を呈する
だが、直ぐに強い眼差しで光秀の瞳を見つめ、唇を引き結んだ
「光秀さんは、いつも何を考えているのかわからないし、揶揄われてばかりで…私は全然相手にされてないんだって思ってました。お守りを渡した時も…待ってろって、そう…言ってくれると思っていたのに、光秀さんは何も言葉をくれなかったから…私は……っ!」
舞の瞳からじわりと溢れ出した涙が頬を伝い、ポロポロと零れ落ちていく
それを見つめながら、光秀は優しい笑みを浮かべ、舞の涙をそっと拭った
「全く…世話が焼けるやつだ。そんなに泣いていたら、意地悪出来ないだろう…?」
「っ、意地悪は嫌だって…言いました…っ」
「そうだったか?」
「そうです…っ!」
涙に濡れた瞳が穏やかに細まり、ほのかに色づいた頬がやけに愛しくて、光秀はそのままゆっくりと唇を重ねた
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