第1章 不器用な恋 (家康×舞) R18
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(は?何??)
(今、抱きしめる必要ある??)
見ているだけで、気持ちが黒く染まりそうになり、家康は目を逸らした。ただ、足はその場に縫いとめられたまま、立ち尽くしてしまう。
見れば、三成の頬が少し赤くなっているようにも見えて、胸が酷くざわついた。
「み、三成、くん…?!」
「…っ、私が傍にいながら…申し訳ございません…!」
「っ、大丈夫だよ!ちょっとビックリしたけどね」
舞が、なだめるように笑いながら乱れた髪をなおしていると、その仕草を真っ直ぐに見つめていた三成の表情がみるみる険しくなっていくのがわかった。
「っ、舞様!!指を見せてください!」
「えっ、指…?」
言われて指を差し出した舞。
その指は、本で傷ついたのか、血がうっすらと滲んでいて。
それを見た三成は、躊躇いなく舞の指を口内へ含んだ。
「っ、三成くん…!」
真っ赤になって声を震わせる舞の指を、ピチャピチャと音を立てながら、舌を這わせ舐める三成。
「っ、、ん…っ、みつ、なり、くん…」
舞の、少し甘ったるい声が書庫に響く。
その声を聞いた瞬間。
ーーーーーぷつり
何かが切れた音がした。
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