第15章 新たなる決意 (秀吉×舞) R18 リクエスト作品
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針子部屋を後にした秀吉の表情は、苦悩に満ちていた
舞が家康に会いに行く理由が分からず、焦りにも似た感情が湧き上がる
「なんで家康の所にいるんだ…」
思わず口をついて出てしまった言葉を聞いていたのか、くすりと笑みを浮かべた男がゆっくりと近づいてきた
「いい男が台無しだなぁ…秀吉」
「光秀…!」
「舞をあまり放っておくと、周りが放っておかないからな。この間は、政宗とやけに楽しそうに話していたぞ?」
秀吉は、光秀の揶揄うような物言いに眉間の皺を更に深く刻んだ
「っ、放っておいたつもりはない!あまり勝手な事を言うな!」
「勝手な事…ね。せいぜい、足元を掬われないよう気をつける事だな」
光秀はそれだけ告げると、これ以上話す事はないと言い、すぐにその場から立ち去った
忠告とも取れる言葉に、眉間に皺を寄せたまま苦虫を噛み潰す
「兎に角…家康の所に行ってみるか……」
秀吉は、もやもやとした気持ちを抱えたまま、家康の部屋へと向かった
部屋が近づくにつれ、二人の話し声が僅かにもれ聞こえてくる
(やっぱり舞はここにいるのか…)
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