第13章 激情に囚われて(謙信×舞) R18
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光秀が去った後、謙信は舞を抱き上げ自身の馬に乗せた
「少し飛ばす。しっかり捕まっていろ」
「っ、謙信様……?」
謙信は舞の返事を待たず、ひたすら馬を走らせた
ただならぬ雰囲気に、舞は身体を強張らせる
春日山城に戻ると、謙信は舞を抱いたまま部屋へ向かい、人払いを命じた
そのまま褥に向かい、布団に下ろすなり性急に舞の唇を奪う
「ん…っ、謙信…さま…っんん」
噛みつくような激しい口付けに、呼吸は乱され、息も次第に上がっていく
離れたと思ったら角度を変えて再び口付けられ、舞は瞳にじわりと涙を滲ませた
「んん…っ、ん…は…っ」
ちゅ…と水音を立て漸く解放された時、ずっと黙り込んでいた謙信は舞を見つめながら、首筋に手を滑らせた
「この痕を付けたのは誰だ…」
「っ、そ、それは……」
謙信の指が首筋を辿る度にビクリと身体が震える
確かめるように一つずつ指先でなぞられ、舞はぐっと眉を寄せた
「それは…っ、光秀さんが私を守るために、ワザと見える場所に痕をつけたんです…」
「っ、やはりあの男か…。お前を見る目が明らかに普通とは違っていた。思い出すだけで忌々しい…」
無表情で淡々と話す光秀が、ほんの一瞬だけ見せた優しい眼差しを思い出し舞の肩を強く握りしめる
「戦場でお前を抱きしめてからずっと…お前からあの男の匂いがして、胸が灼けるように熱く、苦しいのだ…!あの男と…共寝をしたのか…!?」
激情に揺れる瞳が舞の瞳を捉え、その威圧感に負けそうになりながらも舞は唇をグッと噛み締め謙信を見つめ返した
(謙信様に嘘はつきたくない。たとえ…それが謙信様の心を傷つけてしまうとわかっていても…)
「謙信様。謙信様が疑うような事は何もありません。けど…昨日の夜、光秀さんと一緒の布団で寝たのは事実です。怪しまれないようにする為、仕方なくて…」
包み隠さず、真っ直ぐ正直に話す舞の瞳をじっと見つめていた謙信は、あまりの衝撃に言葉を失った
目を大きく見開き、息を飲む
(状況は理解できる。致し方なかったのも事実だろう。だが…やはり赦せん。俺以外がお前に触れるなど…っ)
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