第13章 激情に囚われて(謙信×舞) R18
.
「光秀さん…っ、あの…っ」
「寝るぞ。褥に入れ。今日は特別に俺の腕を貸してやる」
(腕枕って事?!そんなの無理…っ!)
「えっ?!いや、それはちょっと…っ」
何とか逃れようと試みるが、光秀の瞳は真っ直ぐ舞を見つめたまま、捉えて離そうとしない
更に顎を持ち上げられ、視線が絡み合う
「ならば、無理やり抱かれるのと、俺の腕で眠るのと、どちらがいいか選ばせてやる。今すぐ選べ」
「なっ、そんなの選べませんっ!私には謙信様がいますっ。そ、そんな恥ずかしい事……っんん」
それでも抵抗を続けると、舞の言葉は光秀の唇によって強引に奪われた
触れるだけの口付けは、重なった後すぐに離されたが、舞は信じられないといった表情で光秀を睨みつけた
「光秀さん…っ、やめて下さい…っ!」
「ならば大人しく俺の腕で眠れ。また口付けられたいのなら話は別だが」
「っ、わ、わかりました!」
また口付けられたくない一心で仕方なく了承すると、舞は褥に入り、光秀の腕に頭を乗せた
胸元に顔を埋める形になり、側から見れば確実に情事の後だと思うだろう
舞は、光秀の腕の中で愛しい人の顔を思い出していた
(謙信様、ごめんなさい……)
謙信が怒るのは間違いないと自覚しながらも、そうするしかない自分がもどかしく、心の中で謝罪を繰り返す
謙信の腕の中以外で眠る事への罪悪感を感じながら、舞は重くなる瞼をゆっくりと閉じた
暫くして、舞の寝息がすぅすぅと聞こえてきたのを確認した光秀は、舞の寝顔を眺めながらフッと笑みをこぼした
「この状況でこんなに無防備に眠るとは…謙信殿もさぞかし大変だろうな…」
頭を優しく撫でて、髪の毛を一房掴み口付ける
「普通の男なら確実に手を出す所だが…」
舞に手を出したらどうなるのか
以前、舞が春日山に連れ去られた時、謙信殿は舞を牢に閉じ込めて全く外に出さなかったと聞く
それだけの愛情を受けている舞を連れ去る事の代償は計り知れない
明日は、恐らく大変な事になるのだろうと容易に想像出来る
明日、起こるであろう事態を想定しながら、光秀は暫くの間、舞の寝顔を眺めていた
.