第12章 貴方という存在 (信長×舞) R18 アンケ2位祝SS
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頬を撫でている手が首筋を伝い、髪を掬う
ぞくりと身体が震え、行き場のない熱が身体中を駆け巡り、瞳に涙が滲んだ
「信長様……っ」
「何だ」
「何だ、じゃなくて…っ、ちゃんと答えて下さい…っ!」
「……。貴様に触れたいと思ったから触れた。ただ、それだけだ」
「それ、だけ………」
そんなに優しい手で触れてきて、そんな風に言うなんて、酷い……
滲んだ涙が粒を成し、ポロポロと頬を伝い零れ落ちていく
信長は、解せぬといった表情で舞を見つめた
「何故、泣く?」
「っ、信長様が私の気持ちを弄んで楽しんでるからです…っ。もう、私は部屋に戻ります…!」
首筋に触れている掌を振り払い踵を返すと、後ろからきつく抱きしめられ、舞の身体がピクンと跳ねた
「今宵は貴様を返さんと決めた。ここにいろ」
耳元で囁かれ、熱い吐息が鼓膜を擽る
「っ、勝手な事ばっかり言わないでください…っ」
堪らず声を荒げると、震える肩に信長の額が落ちてきた
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