第12章 貴方という存在 (信長×舞) R18 アンケ2位祝SS
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突然の出来事に、思考が停止する
まだ出会ったばかりの頃、唇で酌をしろとか夜伽をしろとか言われた事があったが、最近はそんな無茶苦茶な事は言わなくなっていた
(じゃあ、この口付けの理由は…何?)
現実がまだ受け入れられなくて固まっていると、信長の両手が舞の頬を包んだ
唇を割り、熱い舌が入り込んでくる
「ん…ふ…あ……っ」
全てを征服するように口内を蹂躙され、絡められた舌がピチャりと水音を響かせる
舞は、あまりの羞恥に瞳を潤ませた
(どうして……なの?)
包み込む掌が上気した頬を優しく撫でる感触に、ドキンと心拍数が上がっていく
濡れた瞳で信長を見つめると、チュッと音を立て名残惜しそうに唇が離された
「っ、な、んで………」
戸惑いながらも目を離せないでいると、信長はフッと笑みを浮かべる
「ずっと靄がかかったような…そんな状況も、理解出来れば打ち破るのは容易い」
「どういう意味、ですか…?」
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