第2章 優しい嘘に御用心? (謙信×舞) R18
.
女中が下がると、慌ただしかった部屋が急に静まり返り、舞の荒い呼吸音だけが部屋に響いた
謙信は、舞の傍に寄り添い、吹き出す汗を懸命に拭ってゆく
良く見れば、夜着も汗でぐっしょりと濡れている。
寒気がするのか、身体も少し震えていた。
「このままでは、悪化してしまうな…」
謙信は、布団をはだけさせると、舞の夜着を脱がし始めた。
帯を解き、身体を少し起こして、袖から腕を抜きとる。
「だいぶ、痩せたな…」
久しぶりに見る舞の身体は、以前にも増して細くなり、容易く折れてしまいそうな程だった。
まともに食事も出来ていないのだろう。
「水分だけでも摂らせねばな…。飲めるか…?」
舞の身体を拭きながら尋ねてみるが、やはり返事はない。
謙信は、己の口に水を含むと、舞の口の中へ流し込んだ。
ゴクリと喉がなり、飲んだことを確認してから唇を離す。
それを数回繰り返せば、乾いていた舞の唇は少しづつ潤いを取り戻していった。
「後は、震える身体を温めてやらねばな…」
謙信は、布団の中でふるふると震えている舞を見つめ思案した後、おもむろに自身の着物を脱ぎ始めた。
一糸纏わぬ姿で、舞の布団へと潜り込む。
そのまま、舞の身体を包み込み、肌を密着させた。
「これで寒くあるまい。安心して眠れ…舞…」
舞の震える身体ごと腕に抱きながら、謙信自身も、深い眠りへと堕ちていった。
.