第12章 貴方という存在 (信長×舞) R18 アンケ2位祝SS
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「とりあえず…ちゃんと文を渡した事、信長様に伝えておかなくちゃ」
(あ、でも…汗かいたし、先に湯浴みしてこようかな…)
さっき、光秀さんも用事があるって言ってたし、きっと信長様の所だよね
「よし!先に湯浴みして来ようっと」
舞は着替えを持つと湯殿へ向かい、べたつく汗を綺麗に洗い流した
「よし、着替えを片付けて、信長様の所に行かなくちゃ!」
舞は部屋に戻り急いで仕度をすると、足早に天主へ向かった
部屋の前に着くと、足音ですぐにわかったのか中から名前を呼ばれドキンと胸が高鳴る
「あの、信長様…入ってもいいですか?」
遠慮がちに言うのと同時に襖が開き、舞はおずおずと中へ足を踏み入れた
「わざわざ断る必要はないと前に言っておいただろう」
少し不満そうに話す信長に対して、申し訳なさよりも迎えに来てくれた嬉しさの方が上回り、舞の心拍数はどんどん上昇していく
抱きついてしまいたい衝動を必死に抑えながら、舞は信長へ笑顔を向けた
「信長様、預かっていた文はちゃんとお渡ししました。それを報告しておこうと思って」
「ほう、無事に届けたか。ならば、雨に降られずに済んだのだな」
「えっ?どうしてその事を…」
確かに店を出た時には雨は止んでいた
(けど、どうしてそれを信長様が知っているんだろう…)
疑問に思って首を傾げていると、信長はククッと笑い声をあげた
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