第12章 貴方という存在 (信長×舞) R18 アンケ2位祝SS
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「まさか本当にイヤらしい事を考えていたのか?」
「なっ、違います…っ!秀吉さんと光秀さんが似た者同士だって思ってただけです…っ」
「俺と秀吉が、か?冗談はよせ」
腑に落ちないといった表情を浮かべる光秀を見て、舞はふふっと笑い声をあげた
「いつも意地悪ばかりするから、仕返しです」
「ほう、俺に仕返しとはなかなか度胸があるな。次は倍にして返してやろう」
「えっ?!やめてください…!!」
「くくっ、冗談だ。本当、お前は揶揄い甲斐がある」
愉しそうに笑う光秀の顔を見つめ、苦笑いを浮かべながら並んで歩いていると、漸く安土城が見えてきた
何だかんだ言いながら最後まで荷物を持ってくれ、部屋まで運んでくれる光秀の優しさに心の中で感謝する
(言葉にしても、きっとまた揶揄われるだけだからなぁ。でも、御礼はちゃんと伝えなくちゃ)
「光秀さん、荷物運んでくれて有難うございました」
「ただのついでだ。だが、感謝するというのなら、熱い口付けでもしてくれて構わないぞ」
「なっ…!またそうやって…!」
くすくすと笑いながら去っていく光秀さんの背中に、舞は心の中でもう一度有難うを伝え、ゆっくりと部屋の襖を閉めた
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