第12章 貴方という存在 (信長×舞) R18 アンケ2位祝SS
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「舞様、美味しい茶菓子があるのですが…少し食べて行って下さいませんか?」
「えっ、いいんですか??」
突然の申し出に驚きながらも、茶菓子という甘い言葉につられて思わず笑顔を綻ばせると、店主はにこりと微笑んだ
「すぐにお持ちしますので、よければ店内をご覧になってお待ち下さい」
そう言って店主は奥へ下がっていき、舞は言われた通り店内の反物を見て回った
(あっ、この反物素敵…!信長様に似合いそう…)
黒地に金色で牡丹の花が刺繍された豪華な生地に目を奪われる
手にとって触れてみると、滑らかな肌触りで着心地も良さそうだった
(今の依頼が終わったら、信長様の衣装も作ろうかな)
そんな事を考えていると、店主がお茶と茶菓子を持って戻ってきた
「舞様、いい反物でも御座いましたか?」
「はい!これ、凄く素敵なので頂いて帰ってもいいですか?勿論、依頼をちゃんと終わらせてから作るので安心してくださいね」
店主は、舞の手に握られた生地を見て目を細めた
「信長様によくお似合いになると思いますよ」
「えっ?!私、声に出てましたか?!」
顔に熱が集まるのを感じながら店主を見つめると、ふふっと笑って茶菓子を置いた
「さぁ、お茶が冷めない内に召し上がって下さい」
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