第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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「俺も混ぜろよ。何の話してたんだ?」
「政宗!うん、このお団子が凄く美味しいから、次の戦が終わったらまたみんなで食べたいねって話してたの」
「へぇ、そいつはいいな。早く終わらせて帰ろうって気分になりそうだ」
楽しそうに話す舞の姿に、自然と笑みがこぼれる
「そういえば…家康はどこに行ったの?さっきまで政宗と話してたよね?」
「ん?家康ならお茶を淹れに行ってる。ちょっと遅いから見に行ってくるか」
立ち上がろうとすると、舞が慌てて立ち上がった
「私が見てくるよ。もしかしたら、困ってるかもしれないし」
急いで広間を出て行く舞の後姿を見送り、政宗はフッと微笑んだ
「気になるか?秀吉」
試すような言い方をすると、秀吉はハァ、と溜息をついた
「いや、あいつの気持ちはわかってるからな」
「こんな時まで兄貴気取りか?難儀なやつだなお前も」
光秀の言葉に、カッとなり声を荒げる
「っ、仕方ないだろう!あいつには幸せになって欲しいと思ってるのは、お前らも同じなんじゃないのか?」
感情的になり眉を吊り上げる秀吉の肩にポンと手が乗せられ、見上げるとそこには信長の姿があり秀吉は目を見張った
「っ、信長様?!」
「光秀、その辺にしておけ」
「は、申し訳ございません」
「秀吉。あの呑気な笑顔が見れないのはつまらんが…あの女がいなければ、戦の前にみなで団子を食べるなどという事は無かっただろう」
「そう、ですね。軍議以外でこうやって集まる事はなかったかと思います」
「その舞が選ぶ相手ならば、誰であれ認めてやろうと決めてはいたが…寂しいものだな」
舞が出て行った方角を見つめながら信長は目を細める
その姿に、信長もまた同じ気持ちでいるのだと確信した秀吉は、舞の想いを尊重しようと改めて誓ったのだった
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