第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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「光秀さんは相変わらず意地悪ですね。せっかくの団子が固くなっちゃいますから、早く食べて下さい!」
光秀はやれやれと言わんばかりに肩を竦めると、受け取った団子を口に運んだ
既に政宗や信長も食べ始めている
三成も美味しそうに頬張っていた
「へぇ、なかなか美味いな」
「ええ、とても柔らかいです!」
皆が口々に話をする中、家康は目の前に置かれている団子を只静かに見つめていた
「どうした、家康。食わないのか?」
政宗が怪訝そうな顔で覗き込んでくるのが鬱陶しくて、思わず視線を逸らす
「別に、いつ食べようと関係ないでしょ」
「何怒ってんだ。せっかく二人が買ってきてくれたんだ。ちゃんと食え」
「っ、わかってますよ、そんな事…」
二人で買って来た土産なんて、欲しくない
けれど、あんたの笑顔が曇るのは嫌だって思う
(くそっ、何なんだよ本当に…)
家康は、目の前に置かれた団子を手に取り、モヤモヤした気持ちごと飲み込んで行く
その様子を伺っていた政宗は、にやりと笑みを浮かべた
「何だ家康、嫉妬か?」
「っ、違います!何言ってるんですか、あんた」
むせそうになるのを何とか堪え、政宗を睨み返す
「俺、お茶を淹れてきます」
家康が席を立ち急いで部屋を出て行くと、政宗はハァッと溜息をついた
「家康のやつ、いい加減素直にならないと手遅れになっても知らねーぞ」
秀吉や光秀、三成に囲まれて、ずっと笑顔で話している舞を見つめる
(ちょっとくらいは助けてやるか…)
政宗は席を立ちあがると、舞の隣に割って入った
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