第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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それから暫くして、三成が部屋にやってきた
「何の用?今、忙しいんだけど」
不機嫌極まりない声でそう言うけれど、全く動じない三成は笑顔で話し始める
「はい、先程秀吉様と舞様がお土産を買って来て下さいまして、皆で食べようという話になったので、家康様をお迎えに上がりました」
「は?お前、聞いてなかったの?今、忙しいんだから後にして」
「そういう訳には参りません。信長様が必ず連れて来るようにと仰っておりました」
「っ、わかった。すぐに行く」
今、二人の仲睦まじい姿なんて見たくないのに。
溜息をつき、重い足取りで広間へと向かう
ゆっくりと襖を開けると、既に全員が揃っていた
「遅いぞ、家康。何してた?」
「別に。急に呼び出されたから準備に時間がかかっただけですよ」
政宗に問われ、面倒くさそうに答えながら席に着く
家康が席に着いたのを見届けた信長は、周りを見回した後、ゆっくりと口を開いた
「全員揃ったな。今日は秀吉と舞が安土城下で人気の茶屋から土産を買って来たので、軍議の時間にはまだ少し早いが召集をかけた」
信長が口の端を吊り上げ、秀吉と舞に視線をやると、皆が一斉に二人を見つめる
「へぇ、抜け駆けか?秀吉」
「なっ、そんなんじゃねぇ!」
政宗の言葉に顔を赤らめる秀吉を見て、光秀が畳み掛ける
「ほう、なら毒でも入ってるんじゃないか?恋敵は少しでも少ない方がいいからな」
「お前らなぁ…!いい加減にしろ!」
「おお!怖い怖い…」
怒る秀吉を見てにやりと笑みを浮かべる光秀に、舞はクスリと笑いながら団子を手渡した
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