第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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「こんなに美味しいのに、みんなに内緒って何だか勿体無いね」
舞が残念そうに話す
秀吉はそんな舞の顔を見つめ、溜息をついた後にこりと微笑んだ
「じゃあ、1箱買って帰るか」
「えっ、でも信長様に知られちゃうよ?」
「買って帰ったら問題ないだろ?金平糖はあげられないけどな」
「ふふっ、そうだね!みんな喜んでくれるかな?」
さっきまでの憂い顔が嘘のように、パッと笑顔を綻ばせる舞
(お前はやっぱり笑顔が一番可愛いな)
秀吉は店主に一箱注文すると、包みを受け取り、勘定を済ませ舞と共に外へ出た
「団子が固くなる前に帰るか」
「えっ、でも…秀吉さんが行きたい所はまだ行ってないよ?」
「ん?俺か?ああ、今日はお前と過ごせたから十分息抜きになった。明日からまた頑張れそうだ」
お前と過ごして、疲れなんかすっかり感じなくなっていた
この想いをお前に伝えられたら、なんて柄になく思ってしまう程お前を愛してるのだと改めて思い知らされる
(いつか、お前の兄貴じゃなく一人の男として見てくれる日が来るなら、その時はお前を…)
想いを押し込め、舞に手を差し出す
「ほらっ、帰るぞ」
「うん!」
差し出した手に重ねられた小さな手を握りしめ、秀吉は安土城へ向かい歩き出した
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