第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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秀吉は寂しさを感じながら舞に微笑むと、舞は少し驚いたような顔をした後、首を横に振った
「今日は秀吉さんを労いたいから、帰ってからにするよ。秀吉さんは、毎日信長様や安土に住むみんなの為に頑張って働いてるんだから、たまには息抜きも大事だと思うし…。それに、秀吉さんはいつも頑張りすぎる所があるから、妹の私がちゃんと見張ってないとね!」
(妹、か。いつからかそんな風に見えなくなってた、なんて言えるわけないよな…)
胸を締め付ける想いに溜息をつくと、舞の頭に手を乗せる
「お前に心配されるなんてな。そこまで言うなら今日は兄貴想いの妹に、とことん付き合ってもらうか」
「うん!任せて!」
(兄貴なんて損な役回りだな。隣にいるのにお前の想いは遠くて、手を伸ばしても届きそうにない…)
それでも…お前が笑顔でいられるなら、いいんだ
「じゃあ、今から安土で今人気の茶屋に行くぞ!先に言っとくが、信長様には内緒だからな」
「ふふっ、うん!信長様に知られたら大変だね。許すかわりに金平糖を寄越せって言われそう!」
「確かにあり得る…。いいか舞、絶対にバレないようにしろよ?」
他愛ない話に花を咲かせながら目的の茶屋に着いた2人は、席に座り、一番人気の草団子を食べた
「っ、美味しい…っ!!」
「ん、なかなか美味いな。けどお前、頬が緩み過ぎだぞ?」
笑いながら舞の頬をムニっと摘むと、舞は顔を真っ赤にして恥ずかしそうに見つめてくる
その可愛らしい姿に胸が高鳴るけれど、それを誤魔化すかのように目の前の団子をゆっくりと口へ運んだ
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