第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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その頃舞は、秀吉と城下に来ていた
「反物屋、行ってみないか?この間、店の主人が珍しい反物が入ったって言ってたぞ?」
「本当!?でも、秀吉さんの息抜きなのに付き合わせたら悪いよ」
「舞はいちいち気を使い過ぎだ。せっかく城下まで来たんだから見に行くぞ」
秀吉は、舞の手を取り反物屋へ向かって歩いていく
自然に繋がれた手に少し動揺しつつも、連れられて入った反物屋で舞は感嘆の声をあげた
「わあっ、綺麗……!!」
鮮やかな山吹色の反物にすぐに目を奪われた舞は、キラキラと瞳を輝かせる
(こういうの、家康好きそうだなぁ)
家康の笑顔を想像して、なんだか胸が暖かな気持ちになる
一方の秀吉はというと、そんな舞の笑顔を見て、嬉しい反面複雑な気持ちになっていた
頬を朱に染め、まるで愛しい恋人を見つめているかのような瞳にズキンと胸が痛む
(やっぱり、舞が元気ないのは家康の所為なんだな…)
「それ、そんなに気に入ったのか?」
「うん。凄く綺麗だなって思って。これ、買ってもいいかな?」
秀吉は、舞に笑顔で頷くと舞は嬉しそうにそれを手に取り購入した
「連れてきてくれて有難う、秀吉さん!何だか元気でたかも。帰ったら、これで着物作りたいな」
「気に入ったのがあって良かったな。そんな嬉しそうな顔して…舞は今すぐにでも帰りたくなったんじゃないか?」
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