第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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「悪いな、舞は俺と約束してたんだ。このまま借りてくぞ」
「いちいちそういうの要らないです。勝手にすればいいじゃないですか。俺には関係ない」
不機嫌そうな顔で目も合わそうとしない家康の横を、秀吉に手を引かれながら通り過ぎる
(このまま、分かり合えないのかな…)
凄く寂しい気持ちになりながらそっと振り返ると、こっちを見つめる家康と目があった
「…………っ」
もう、そこには居ないと思っていたのに。
(どうして、そんな瞳で見つめるの…?)
(わからないよ、家康。
ねぇ、教えて…。家康の気持ちが知りたいよ…。)
言葉に出来ない想いを押し込め、秀吉の背中に視線を戻す
そんな舞を見つめながら、家康はずっと葛藤していた
(あんな事、言うつもりじゃなかった…)
似合わない、なんて嘘だ。
誰かの事を想いながら綺麗に着飾ったあんたが、許せなかった
舞は俺のものじゃないのに。
要らないって跳ね除けたのも、俺なのに。
あんたが誰かのものになるかもと思ったら、思わず口に出してた
「こんな感情…欲しくなかった。あんたの事しか考えられなくなるとか…どうかしてる」
想いを振り払うように首を振り、踵を返す
騒ついた胸の内を見ないようにして。
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