第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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一方、舞は。
家康の部屋から出た後、自分の部屋へ続く廊下を歩いていた
「家康…全然目を合わせてくれなかったな…」
一緒に薬を作って、少しは打ち解けられたような気がしていたのに…
そう思うと、なんだか寂しい気持ちが胸の中に渦巻いた
俯きながら更に歩みを進めていると、角を曲がった所で誰かにぶつかり、舞は慌てて顔を上げた
「っ、ごめんなさい…!!」
「こーら!前を見て歩けっていつも言ってるだろ?」
「ひ、秀吉さん?!」
見上げた先には呆れた顔で見つめる秀吉の姿があり、思わず肩をすくめる
「何か探してたのか?」
「ち、違うの!ちょっと考え事してて…」
「だからって、そうゆう顔をするな」
(そんな顔してる舞は、ほっとけない…)
ポンと頭に手を乗せ、にこりと微笑む秀吉に、舞はうんと小さく頷いた
「よし!お前は明日、休みだったろ?出かけるから、朝餉の後に俺のとこに来い」
「えっ、なんで急に…?」
「戦の前で仕事詰めだったからちょっと息抜きしたくてな。付き合ってくれるだろ?」
「でも、せっかくの休みなのに…」
「嫌か?」
「……っ、ううん!私でよければ付き合うよ」
「よし、じゃあ決まりな。明日、楽しみにしてる」
約束を交わして、秀吉は自室へと向かう
(明日までに終わらせないといけない仕事が増えちまった。でも、舞と過ごせるならそれもいいって思えるから不思議だよな…)
「明日は、城下で最近人気の茶屋へ連れて行ってやるか。あいつ、喜ぶだろうな」
フッと優しい笑みを浮かべ、秀吉もまた文机に向かって筆を走らせるのだった
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