第11章 抗えない運命 (家康×舞) R18 アンケ1位祝SS
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戦に備え薬を調合していた家康を訪ねた舞は、家康の薬作りを手伝う事になり、以前教えてもらった解毒剤作りをしていた
「へぇ、だいぶ上達したんじゃないの?」
「本当…??そうだとしたら、家康の教え方が上手いからだよ!」
「大袈裟。あんたが頑張ってるのは見てたから、ここは素直に褒められときなよ」
照れ臭そうに視線を逸らす家康に笑顔で頷くと、舞は作り終えた薬を家康に渡した
「戦の前に少しでも多く用意しておきたかったから、今日は舞が手伝ってくれて助かった」
「うん!また、手伝える事がある時は言ってね」
家康の力になれた事が嬉しくてふわりと微笑むと、家康は一瞬驚いたような顔をした後再び視線を逸らした
(何、その顔…反則でしょ…)
「家康……?」
「っ、別にわざわざ手伝わなくてもいいから。あんたはもう帰って休めば?」
(これ以上一緒にいたら、おかしくなりそうだ…)
「手伝ってもらうような仕事は、もうないから」
それだけ伝えると、家康は道具を片付け文机に向かって書簡に目を通し始める
それをみた舞は少し寂しそうな顔をしながら、わかったと返事をして家康の部屋を出て言った
遠ざかる足音を聞きながら、ハァッと溜息をつく
「俺は、あんたなんていらない…」
女なんて必要ない。そんなものにかまけてる暇なんてない。これからもずっと。
そう、思うのに。
気付けばあんたから目が離せなくなる自分がいる
(わかってる。もう、どうしようもなくあんたが好きだって事。でも、だからこそ…いらない)
胸に燻る想いに蓋をして、家康は再び書簡に視線を落とすのだった
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