第9章 祈りと願いと 後編 (光秀×舞) R18
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少し時は戻って安土城ではーーーー
信長は、光秀からの書簡に目を通していた
「朝倉を攻めるか。まぁ、光秀なら何の問題もあるまい…」
読み終わるとそう呟き、もう一通届いていた文を渡すべく舞を呼び出した
暫くして天主を訪れた舞に文を差し出す
「今日お前に届いた文だ」
「えっ…?もしかして光秀さんからですか!?」
舞は花のような笑顔を覗かせ、文を受け取るとゆっくりと中を開いた
『舞、いい子にしているか?
俺は無事に坂本城へ着いた。
これから忙しくなるが、時折文を書いて送る。
だから、俺が帰るまでいい子で待っていろ。
すぐに迎えにいく』
舞でも読みやすいように崩さず書かれた文字を一文字ずつ愛おしそうになぞりながら、舞は光秀の優しさを感じ胸が一杯になっていた
そんな舞の幸せそうな顔を見つめ、信長は目を細める
「あの光秀を籠絡するとは、貴様はとんだ悪女だな」
「籠絡してませんっ!何てこと言うんですか?!」
「くくっ、そう怒るな。褒め言葉だ」
「褒めてないですよ!でも、すぐに呼んで下さり有難うございます。元気が出ました!」
頬を染め嬉しそうに微笑む舞に、信長もふん、と鼻を鳴らした
正に、その時だった
家臣が襖越しに慌ただしく声をかけた
「信長様!急ぎお伝えしたい事が!!」
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