君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第9章 怪我
「ってか、お前!てめぇの姉ちゃんに俺の事なんて言ってる!聴く限りには悪口とかしか言ってねぇじゃねぇか!」
「だ、だって…あんたと関わると色々大変なんだもん。」
そこが面白いんだけどね。とは言わなかった。
照れ臭くて言えなかった。
「じゃあ、俺も言わせてもらうがな。お前はチビだからか知らねぇけど人とはあんまり関わらねぇのはどうかと思うぞ。俺は脅迫手帳使って関わってるけどな、ケケケ。」
「…それは関わってるんじゃなくてパシリとか奴隷なんじゃ」
「一応関わってるだろ。友達とか友情とか要らねぇ。」
友達とか友情とか要らねぇ。その言葉が心にグサッと刺さった。
「…てめぇと糞ジジィと糞デブは別だ。あとあいつらもな。」
"あいつら"とはきっとアメフト部の皆のことだろう。
昔は本当に3人しかいなくて練習試合とか組むのだけでも大変だった。
神龍寺に行けなくなった時は波音だって動揺を隠せなかった。
そんな状況の中でも泥門高校に入ってからもアメフト部を作ってここまで這い上がってこれた。
「…本当に良かったね。」
心からの喜びが漏れた。
いや、漏れたというよりかは溢れたのかもしれない。
涙袋に水が溜まった状態でふぅ、と微笑んだ。
「…おい。」
「ん?どうし…え?」
波音は左腕を掴まれて倒されていた。
「…勃った。」
「はぁ?!なんで?!」
「てめぇの顔がエロかったからだろ。」
「エロくした覚えないっ…て、やめ」
首筋に顔を埋め込み舌を這った。
声をあげるのを耐えて、息がはぁ、と荒くなる。
「首弱ぇのか…ケケケ。丁度てめぇには仕置きしないといけなかったしな。」
「なんであたしがお仕置きされなきゃいけないんだ?!」
「嘘を付かれたり俺の悪口を言ってるからに決まってんだろ。準備は出来てんだろーな?」
でたよ、悪魔の微笑み。
断われるはずもなくどんな酷いお仕置きなのか緊張な面持ちを見せる波音であった。