君との距離は3yard 【アイシールド21長編R18物語】
第8章 滅私奉公
「…てめぇも練習にいけ。」
皆が練習へと戻る中、ムサシは1人、部屋の角で手を組んでいた。
「クソ悪魔はなんか知ってそうだな。波音が戻って来た原因。」
「知らねぇ。ただ、」
ヒル魔からの言葉が途切れてムサシは怪訝そうな顔をする。
そして、悪魔はパソコンを見ながら笑った。
「糞アマが行ってた美水(みすい)女子高校は相当狂ってやがる。」
──────
私立美水女子高等学校。
波音はそこにスポーツ推薦で入学。
水泳ではトップを争う進学校で授業も部活も文武両道出来る学校だった。
しかも生徒は皆、綺麗で清楚な人が多く彼女には少し不似合いな気がした。
そんな学校だったが彼女は学校に馴染み、楽しく生活をしていた。
でもそれは波音が入ってきた1年の時の話。
2年になってから大いに荒れていった。
その背景には入学してきた新入生の存在があったのだ。
ヒル魔は美水女子高校のホームページを見ていた。
『美水女子高校水泳部世界選手権出場決定!』
そんな見出しが堂々と貼られていて、クリックすると昨日見かけた少女が載ってる。
彼はこの写真に載っている女子について練習の合間に調べ始めた。